年頭所感を掲載いたしました。
一般社団法人ファイナンシャル・アドバイザー協会理事長 年頭所感
2023年の年頭にあたり、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
皆さん、明けましておめでとうございます。
昨年は新型コロナウィルスのワクチン接種の普及によって日常生活を取り戻し始めた一方、ロシアのウクライナ侵攻や各国中央銀行による利上げなどにより、株式、債券ともに大きく下落するという厳しい投資環境となりました。しかし、こうした先の見えない不確実な環境下こそがファイナンシャル・アドバイザーの出番であり、お客様一人一人のゴールを理解し、お客様とその家族のライフプランを聴きゴールまで寄り添っていくことがより求められた1年でした。
当協会においては、昨年は研修委員会による「ゴールベースアプローチ研修(実践編)」を定期的に開催し、より現場に役立つ研修プログラムを提供いたしました。また認知度向上委員会では協会公式サイトに新しく「投資を学ぼう」というブログコンテンツを設置したほか大阪での非会員を対象とした説明会を実施しました。そして12月には会員の皆様のご協力を得て協会設立以来3回目となる「FAカンファレンス~ゴールベースで未来を創る~」を実施することができました。新しく設置したガイドライン策定委員会では、金融商品仲介業ならではの課題に関するガイドライン策定に向けた検討が始まっています。正会員各社が顧客本位の業務運営を遂行することで、このIFA業界の信頼に繋げていきたいと考えております。
昨年は政府より資産所得倍増プランが発表され、2000兆円の家計金融資産の約半分が預貯金に置かれており、欧米に比べて金融資産所得からのリターンが低いことから、投資経験者やNISA買付額の倍増が目標として掲げられました。またその流れの中で、来年からNISA制度の恒久化やつみたて可能額が3倍になり、成長投資枠も240万円まで拡充をしました。これにより今後投資経験者の裾野が広がっていくことは必至であり、またNISA口座での投資枠が広がったことで、よりアドバイスを求める人が増えると予想されます。そうした中で、ライフステージに合ったアドバイスができるファイナンシャル・アドバイザーの必要性は益々高まっていくことでしょう。
資産形成の流れが本格化する2023年、当協会は3つの委員会を中心とした活動を強化し、私たちと志を同じくする会員を増やしていきたいと考えております。そして新しい取り組みとして、日本より20年先を行っていると言われる米国FA業界を体験する米国視察を実行していきます。百聞は一見にしかず、なぜ米国でFAビジネスがこれだけの一大産業になっているかの理解が進み、そこに多くのヒントがある筈です。
先進事例を学んだ当協会会員が、国内FA業界の先頭に立って創意工夫をし、日本の成長と生活者の資産所得増加という好循環の実現に向けその一翼を担うことができるよう、協会の様々な活動を通じて貢献してまいりたいと存じます。
終わりに、改めて皆様のご健勝・ご多幸をお祈り申し上げると共に、一層のご理解とご支援を心からお願い申し上げて、新年のご挨拶とさせて頂きます。
一般社団法人ファイナンシャル・アドバイザー協会 理事長
中桐 啓貴