「40代~60代に伝えたい!新しいNISAと保険を併せた資産運用」
向かって左から:エフピーサポート株式会社 取締役 (当協会理事) 可児 康充さん、同社 IFA事業部営業部営業責任者 杉浦圭さん
年代ごとに、イベントやお悩みは異なるもの。では、実際の相談現場にて、40~60代の方にプロはどのようなアドバイスをしているのでしょうか。「保険代理店」と「IFA」の両方の事業を行っている、エフピーサポートの可児康充さんと杉浦圭さんに、40~60代の方に多いお悩みやそれに対するご提案について教えてもらいました。
――40代くらいは「子どもの教育費」について悩む方も多いのではないでしょうか。
杉浦圭さん(以下敬称略):そうですね、お子様のご年齢にもよりますが、お子様が生まれたばかりのご家庭なら、弊社は保険代理店とIFAの両方の事業を行っておりますので、学資保険やNISAを使った資産運用などさまざまなご提案が可能です。
お子様が中学生、高校生になって教育費について不足されている場合は、準備できる期間があまりありませんので、支出を見直すほか、ライフプランについても見直す必要があるケースが多いです。
とはいいましても、進路についてはお子様やご家族のご希望が一番大切ですので、丁寧にお話を伺いながら、不要な支出を探したりと様々な角度から教育費の捻出を検討いたします。
可児康充さん(以下敬称略):教育資金が足りないときは、状況によっては終身保険を一部中途解約することによって資金をつくるケースもあります。それでも足りない場合は、最終的には奨学金や教育ローンをご提案するケースもあります。
転職などによって、予想外に収入ダウンする場合がありますので、教育費のご相談は、できるだけお早めにしていただけましたら、より多い選択肢をご提案させていただきやすいと感じております。
――さらに、40~60代は、「老後資金」についても気になる方が多いのではないでしょうか。
杉浦:そうですね。老後資金については、最近は20代くらいの若い方からのご相談も増えていますが、40代以降から、よりご相談が増えてまいります。
現役世代までは、NISAやiDeCoといった税制優遇制度を活用しながら資産形成を行い、定年以降も資産運用は継続していただきながら、老後資金として計画的に取り崩していく形をご提案することが多いです。それにより、お客様の“資産寿命”もしっかり伸ばしていただきながら、お金を効率的に使っていただけると思います。
資産の山を少しでも高くして運用を続けながら、保険でリスクをカバーしつつ、安心して老後を過ごしていただけるような設計をご一緒に考えます。そのため、50~60代の方にも「今からNISAを始めても、遅くないですよ」とお伝えしています。
今は超低金利ですので、預貯金だけではなかなかお金がふえないため、資産運用や保険とも上手に組み合わせながら、安心して老後を過ごしていただけるようなお手伝いをさせていただいております。
可児:50~60代の方は、私自身も経験しましたが、バブル時代からバブルがはじけ、その後の経済低迷期を実感しているため、「株は損をするものだ」と思い込まれている方も多いです。
最近な日本株も上がっておりますが、「今が天井だろうから、買うのが怖い」と、資産運用に一歩踏み出せない方もいらっしゃいます。さらに、50~60代の方は、銀行預金金利が6%近くほどの時代も経験していますので、「銀行に預けておけばお金が増える」と感じている方も多いです。
今は超低金利ですし、デフレからインフレになってきていますので、資産運用の必要性についても、丁寧にお伝えするように心がけています。
――40~60代の方には、「NISA」の活用法について、どのように提案されていますか?
可児:40~60代の方は、過去のご経験から、投資というと「株を買う」とイメージする方も多いですが、今は投資信託をじっくり積み立ててリスクを軽減する方法もありますので、そのあたりからご説明をしています。
例えば50代や60代でたくさんの投資資金がある方でも、それを株式投資に一括で投資をするのではなく、NISAを使って、年間360万円分を5年間積み立てていく方法をご提案することも多いです。
今は長寿時代ですので、50~60代から積み立てを始めても、まだまだ間に合います。リスク許容度に応じて、外国債券や保険など、さまざまなものを組み合わせることで、お客様にあったリスク管理と資産形成をご提案しています。
――定年前は、「住宅ローン」を完済するかどうかで、悩まれる方もいらっしゃるでしょうか。
杉浦:そうですね、住宅ローンをどうするかについては、「団体信用生命保険」がポイントとなると考えます。仮に1000万円のローンが残っている場合、団体信用生命保険によって、ローン返済者の方に万一のことがあった際には、その1000万円の支払いがなくなります。そのため、1000円分の保険に入っているイメージですね。
もし、定年前に1000万円を繰り上げ返済してしまうと、その保険機能を失うことにもなります。住宅ローンは、個人がお金を融資してもらえる様々なローンの中でも、かなり低い金利です。あえて、ローンを完済せずに、保険機能を活かし続けるという考え方もあります。
繰り上げ返済をすると、その分の手元のお金を失うことにもなりますので、シミュレーションをしながらお客様とご一緒に考えるようにしています。残額の半分だけ返済したり、繰上げ返済をするとしても、残りの返済期間を短くなる形ではなく、月々の返済額を下げる形にしたりと、さまざまなパターンをご提案しています。
――「40~60代の方」へのご提案で心がけていることはありますか?
可児:お金に関して、何かあったときにすぐにご相談をいただける存在になれたらと思っています。それには、お客様としっかりとした信頼関係を築かせていただき、さまざまな情報開示をしていただくことで、よりよいご提案につなげていきたいですね。
40~60代の方は、20~30代の頃に比べると、お金に関する大きな失敗は避けたい時期です。そのため、私たちも慎重に検討したうえでご提案をさせていただいております。
また、私自身も感じておりますが、将来のことばかり目を向けるのではなく、今のうちに楽しむことも大切だと感じますね。お金を上手に使いながら、将来に必要なお金は準備して、安心できるマネープランとご一緒に作らせていただけたらと思います。
杉浦:40~60代の方は、お子さんが少し大きくなってきたり、ご夫婦でお出かけができたり、趣味に没頭できたりするご年代と感じます。
老後の心配をしすぎることなく、長い目で見て今も老後も楽しめるようなお手伝いができたらうれしいです。